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Razer Mechanical Keyboard Case for iPad Pro[12.9 in]を輸入した。ファーストインプレッションレビュー

Razerがゲーミングじゃないキーボードを出す?

ふいにネットから情報が流れてきた。僕はパソコンの入力装置であるキーボードのファンであり、コレクターである。

 

とはいえ、金欠なので買っては売ってを繰り返して来たので、お気に入りのものしか普段は使っていない。

お気に入りのキーボードはCherryの赤軸キーボードである。CorsairのK65。キートップが浮いているようなデザインが僕を魅了している。

 

CORSAIR ゲーミング キーボード K65 Compact JP

CORSAIR ゲーミング キーボード K65 Compact JP

 

 

 

世界初の薄型メカニカルキーボード

Razerが出すiPad Pro用のキーボードは世界でも唯一の薄型のメカニカルキーボードだった。これがただのパンタグラフキーボードだったら僕は買わなかっただろう。

iPadというモバイル機器において、打鍵音の大きいメカニカルキーボードを合わせてきた。そしてキートップの構造はいままでに見たことのない薄型である。Razer Ultra-Low-Profile Mechanical Switchと呼ばれるこのキーボードは「見た目はパンタグラフ、打鍵感はメカニカル」という新次元のデバイスだ。

 

ゲーミングデバイスではない。しかしRazerのこだわりは随所に出ている

では箱から見ていこう。

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箱は長方形をしていてマグネット式になっており、横に開くようになっている。

もちろん、封はしてある。閉じてあるテープを剥がせば、横に開くというわけだ。

 

ずっしりと重い

第一印象は「重い」ということだ。キーボードはよく軽量化されているものの、ケースと一体化しているメタルキックスタンドがガッチリとした作りで重量をとっている。

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キックスタンドにはRazerのロゴが控えめに刻印されている(いつもはド派手なフォントだけど、大人しい整ったフォントである)

フィッティングは良好

気になるiPadとのフィット感だが、今まで使ってきたケースの中で1番しっかりとしている感触をうけた。このあたり精巧にできている。1mmのズレも許さないぞ!というような厳しい品質へのこだわりがあるのだろう。

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フルピッチのキーボードとガッシリとした重さから、ほとんどモバイルパソコンと変わらない安定感を得られる。

 

薄型メカニカルキーボードの打鍵感はどうか

キーボード荷重は70gである。

まずはCherry軸の各色キーボードの荷重をみてみよう。

  • 黒軸(60g)
  • 赤軸(45g)
  • 茶軸(45g)
  • 青軸(40g)

つまり、70gというのはけっこう重いということだ。黒軸を触ったことのある方は、その重さにびっくりした覚えがあるだろう。それ以上である。

 

しかし、それは数字のトリックというものかもしれない。

実際にタイピングしてみると、今まで使ったことのあるパンタグラフキーボードのなかでは、ぶっちぎりの打鍵感を感じさせてくれた。

ストロークの短さが大きく関係しているのだろう。

抜群に使用感はいい。これは断言しよう。

 

まさしくメカニカルキーボードだ!

 

各キー1つ1つに内臓された20段階の調節が可能なLEDバックライト

これは光ものを得意としているRazerとしては外せないところだ。20段階という細かな調整が可能な背面バックライトは清々しいほど白く光る。MacBookの背面バックライトなんて目じゃない光量だ。白く強く光る。

ゲーミングデバイスによく使われている虹色カラーのバックライトではない。しかし、そもそもフォーカスが一般用途に仮定されているのだから当たり前だ。

ビジネスマンや学生が背面を緑色に光らせてキータイプしていたら嫌な気分である。

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他の薄型キーボードと比べてどうだろうか

僕は3年間MacBook Airを愛用してきたのだが、最近はMacBook9.1に乗り換えた。

MacBook 12インチモデルは2016年モデルになって実用的なバッテリー持続時間を得たからだ。デザインは好きだったのだけれど、バッテリーがネックとなって換えられずにいた。

MacBook 12inは、キーボードは「バタフライキーボード」といってAppleオリジナルの世界最薄のキーボードとなっている。

MacBook Air(又はPro)のパンタグラフキーボードは質は良いし、耐久性も申し分ない。

MacBook 12inのバタフライキーボードも流石にApple製品だけあって使いやすい。最新のテクノロジーが使われているのが実感できる。

苦言を述べるとすれば、世界最薄なのだから、もう少し静音にできなかったものかと時に思うくらいだ。クリック音は他のMacBookシリーズとあまり変わらない。

 

Razer Ultra-Low-Profile Mechanical Switchは打鍵感は最高で、音は明らかに大きい。メカニカルキーボードらしいクリック音が響く。

しかし、これが実に上品な音なのである。

高級感を感じさせてくれるというか、あまり「うるさい」という不快な音ではないと感じる。

一般的なメカニカルキーボードとは数段違った控えめのクリック音になっていて、ストロークが短い分底打ちの「カンッ!」とした音はなく、カチャカチャとしている程度だ。

そして音は気持ちを盛り上げてくれる。

 

キーボードは分離して、縦置きに対応する

実はこのキーボードはケース一体型ではない。別々に分離するようになっている。普段はマグネットによって適切な位置にくっついている。

マグネットは簡単に外せるようになっており(落ちたりはしないのでご安心を)これによってタイピングポジションを自由自在に変えることが可能となっている。

スマートコネクトを採用しなかったのはRazerらしい遊びゴコロが生きているのだろう。

IPadを高い台へ置けば、モバイルパソコンにおいて「健康に悪い」とされている「首を曲げて腰を丸めてディスプレイを覗きこむという。腰と首に負担のかかる姿勢から開放される。

さらに、キックスタンドをたたんでしまえばフラットなタブレットになる。そのため、別途でスタンドを用意すれば、縦置きでの使用が可能になる。

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Ankerのスタンドで縦に置いているところ。

ベストセラーのスタンドだが、12.9インチのiPad Proを支えるには少々力不足だ。バランスがイマイチ。慎重に扱えばよいのかもしれない。

 

 

Macで使えるという利点が光る

最後に忘れてはならないのは「Macの外付けキーボードとして使用できる」点だ。

iPadのキーボードはほぼMacにも対応している。

本キーボードも例のごとく、Macでの動作確認をとることができた。

ただ、FnキーがないのでESCキーがない。そして最上段のキーはiPadに最適化されているためにファンクション機能(F1、F2…等)の機能はない。

なので実質はUS配列の64Keyキーボードになる。

「それじゃあ使えないじゃないか」

という声が上がりそうなものだが、Macはパソコンである。変態配列のキーボードも使えるようにしてくれる便利なフリーウェアがあるのだ。

「Karabiner」というフリーウェアだ。

Karabiner - OS X用のソフトウェア

これを使えばESCキーは無くても、ファンクションキーもなくても大丈夫。

僕はOptionキーと数字キー同時押しでファンクションキーが動作するようにしてある。

ESCキーは数字の5と6を同時押し。

お好みで設定すればいい。

 

MacのUS配列でメカニカルキーボード、そして美しい背面バックライトのパンタグラフという存在感

Mac用のキーボードといえば、純正にならってパンタグラフのものばかりだった。

FilcoがMajestouchシリーズでメカニカルキーボードを出していたのだけれど、それも随分昔で、いまさら手に入れても使いものにならないだろう。

あえて正統派のメカニカルキーボードをiPad Proで使うのであれば「Filco Majestouch MINILA Air (Bluetoothモデル)」だろう。US配列を忘れずにチョイスしたい。

刻印や配列はWindows準拠。そして67キーという変態キーボードだ。

これはこれで面白い。

軸はうるさくない茶軸が無難だ。赤軸や黒軸でもいいが、青軸は外で使えないのでやめたほうがいい。

 

さいごに

ここまでつらつらと書いてきた。僕の満足度がいくらかは伝わっただろう。

価格設定はおよそ¥18,000と、決して安くない品物だ。

しかし、Razerのフラッグシップモデルのキーボードで粗悪なものがいままであっただろうか?

BlackWidow Chroma と肩を並べる価格帯のキーボードである。

 

それはそれだけの価値があるさ、と言いたい。

僕は実感した。

新しいコンセプトのパンタグラフ x メカニカルという発想も見事に達成している。

これからRazer Mechanical Keyboard Case for iPad Proでタイピングをするのが楽しみだ。

おもいっきり使い倒してやろうと思っている。