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アプリとフリーウェアの紹介。 たまに脱線します。 スマホ版で見づらい方はPC版でどうぞ

Oculus Goを即日に売った話

はじめに

前評判を越える高さで評価されているOculus Go。検索をすると大絶賛の声ばかりである。
「未知なる一面が開ける」「次世代の体験」「職場の同僚にかけさせている」などなど、 そんなにも魅力のあるものかと、驚いている。
僕は1日目で売り払う決心がついた。
正直言えば無駄遣いだったと思う。
その理由や使用感想をこれから述べる。

ヴァーチャルリアリティ

VRの世界は空間が立体的に見える。その体験は多くのヒトに衝撃的に映るだろう。
しかし、Oculus Goの立体視は非常にチープだ。
立体的というのは確かに臨場感を高める。とはいえ、まだまだ実在する空間には程遠い。
いわば錯覚を見ているに過ぎないといった白けた気分が多く存在するのだ。

キラーコンテンツの貧弱さ

本機では、「Big Screen」と呼ばれるキラーアプリがある。
アプリの機能はPCの画面をOculus Goへミラーリングするということ。
なので、映画などの映像コンテンツを大画面で楽しめるわけだ。
しかしここにも疑問、というか不満な部分が残る。
実際のディスプレイの方が圧倒的に見やすいのだ。
僕の使うディスプレイは34インチのウルトラワイド液晶だ。こちらで映像を見たほうが臨場感はある。
そしてアプリを使うために高額なグラフィックボードを必要とする。本末転倒だ。

最大音量は低い

Netflixはアプリとして仮想スクリーン上で映画を見ることを可能にした。
ドライブモードを使えばスクリーンの向きは自分の頭の動きに連動する。
つまり寝そべりながら映画を見ることができる。目の前には巨大なスクリーン、さながら、ホームシアターのようだ。
しかし残念なことにOculus Goの最大音量は非常に小さい。
Bluetoothで繋いでイヤホン側で音量を上げればいいかと感じたが、デバイスBluetooth接続機能はなかった。
その結果、大きなスクリーンと迫力のない音での視聴となる。
これでは話にならない。
ホームシアターというのは7.1chサラウンドスピーカーとプロジェクターによって映画館の小型化をするものだ。単にスクリーンが大きければよいものではない。
最新のブルーレイシネマは非常に高い音質を持っている。リアルな音だ。その音を全く再現できていない。
7.1サラウンドシステムを外部で組めれば使う価値はあるかもしれない。とはいえ、イヤホンジャックしか無い本機には到底無理である。

アダルトコンテンツはすぐに飽きる

DMM動画は正式にOculus Goに対応した。これによりVRアダルトコンテンツを楽しめることになる。
自分はDMMは見たことはなく、主に海外製のアダルトVRコンテンツの視聴が主だった。
余談ではあるが「Naughty America」というメーカーは質の高いコンテンツを配信している。
日本人好みの美女ばかりをチョイスしているといってよい。
VR立体視のアダルトコンテンツは、最初はすごいと感じるだろう。胸の柔らかさは通常とは別次元に写り、感触まで伝わるかのようだ。
女性はそばにいるように見える。下から覗いてもよいし、上から見ても横から見ても、ちゃんと見える。
しかし、大きな欠点があった。
視点が常にFPS(本人視点)という点だ。
何本かコンテンツを見ていると、同じアングルに必ず飽きる。
それにディスプレイ解像度の限界もあって、ヴァーチャル感に気付く。なんだか不自然な気分になる。
そういった違和感を感じたらもう終わり、斬新なだけではダメなのだと感じる。

ゲームはやる気が起きない

ゲームも少しは遊んで見た。
次々と現れるゾンビを打ち倒していくといったものだ。ガンシューティングに向いている。
ゾンビに襲い掛かられる瞬間は、初期のバイオハザード並みに恐怖を感じた。
けれど、それがなんだというのか。
チープなCPUしか積んでいないデバイスのため、PS2以下のポリゴン相手に没入するのは、大人になってしまった僕には不可能だった。

360度全天球写真は素晴らしい

Kuulaというサイトがある。
360度全天球写真をアップロードできるSNSのようなサイトだ。
ここには全世界の素晴らしい風景が集まっている。
アプリはGalaxy Gearにはあったが、現在はOculus Goのストアになかった。
写真家の探究心には脱帽する。全天球写真を美しく撮るためには高額の専用カメラが必要になる。それでもカメラを揃え、人影が一切ないグランドキャニオンの全天球写真を撮ってくる。
アラスカのオーロラの写真もあった。しばらく見とれざるを得なかった。
オーロラの美しさは圧倒的だ。
自分で360度全天球写真を撮ることもできる。
安価な「Insta360 One」というデバイスを買えばよい。5万近くするけれど、カメラの中では安価である。
使い方は簡単でiPhoneと接続して使う。十分にキレイな映像、写真を保存できる。
そのためかアップルの公式HPでアクセサリーとして並ぶようになった。

さいごに

「電車の中でVR」「Oculus Go」を首に下げて歩こう」などと酔狂なヒトを見かける。
本機はそういったものではない。
用途は「全天球写真を見る」といった限られたものだ。
立体視映像は「VR酔い」といったものもあって全然使えない 。
それでも……熱狂の旋風を起こしているOculus Goには、何かヒトを虜にするような可能性はあるのだろうか…。

おそらく、無いだろう。